【日欧比較】聞こえの悩みと向き合うー「からかい」や「仲間外れ」の調査結果から考える
- 拓也 大森
- 20 時間前
- 読了時間: 4分
こんにちは、米子市のすずらん補聴器です。
近年、日本や欧州では、補聴器工業会を中心に、難聴の方の生活実態や補聴器の使用状況に関する大規模な調査が行われています(日本では「ジャパントラック」、欧州では「ユーロトラック」)。これらの調査は、聞こえに悩みを持つ方々の真のニーズを理解し、より良いサポートを提供するための貴重なデータとなっています。
今回は、その調査結果の中で、非常に興味深く、かつ考えさせられる項目についてスポットを当ててみたいと思います。

それは、補聴器を持っていない難聴者に対して、「聞こえが原因で、からかわれたり、仲間外れにされたりした経験があるか」を尋ねた質問です。
この結果、日本では7%の方が「ある」と回答したのに対し、欧州(複数国の平均)では21%と、実実に3倍もの差が見られました。
欧州は日本よりも補聴器の普及率が高く、聞こえのケアに対する意識も進んでいるというイメージがありますが、なぜこのような差が生まれたのでしょうか?
調査結果の違いを考察する:文化とコミュニケーションの差
この結果の背景には、いくつかの要因が複雑に絡み合っていると考えられます。
1. コミュニケーションスタイルの違い
日本文化では、場の調和(和)を重んじ、相手を直接的に批判したり、からかったりすることを避ける傾向があります。また、「本音と建前」を使い分け、オフィシャルな場では配慮を見せる(配慮を見せようとする)文化も影響しているかもしれません。
一方、欧州の国々では、より直接的でオープンなコミュニケーションが好まれる場合があります。悪気はなくとも、聞こえづらそうにしている様子を率直に指摘したり、冗談の種にしたりする場面が、日本よりも発生しやすい可能性は否定できません。
2. 難聴に対する社会的認識と容認度
欧州では補聴器が一般化しているからこそ、補聴器をつけずにstruggleしている(苦労している)状態が、周囲の目には「なぜ対策をしないのか?」と、より奇異に、あるいは否定的に映ってしまうという側面があるのかもしれません。
対して日本では、難聴は「加齢によるものだから仕方ない」と、ある意味で諦めとともに容認され、周囲もそれを「静かに見守る(またはスルーする)」ことが多いという可能性もあります。
3. 「仲間外れ」の捉え方と報告の心理
からかいは目に見えやすいですが、「仲間外れ」はより主観的な感覚です。欧州では、会話に参加できない状態を明確に「仲間外れにされた」と認識する傾向が強いのかもしれません。また、日本人は、ネガティブな経験を外部に「報告」することに抵抗を感じたり、自分の我慢が足りないと考えたりする傾向があるため、実際の経験よりも低い数字が出ている可能性も考慮する必要があります。
数字の裏にある「孤立」という真の問題
日本での回答が7%と低かったからといって、日本が難聴者にとって過ごしやすい国である、と断定することはできません。この7%という数字の裏には、からかわれることを恐れて自ら会話の輪を離れたり、聞こえないふりをしてやり過ごしたりしている、多くの人々の「静かな孤立」が隠れている可能性があるからです。
周囲が「からかわない」ように配慮してくれていたとしても、自分自身が「皆と同じように楽しめていない」と感じ、精神的に負担を感じているのであれば、それは解決すべき課題です。
聞こえのケアは、QOL(生活の質)向上の第一歩

からかいや仲間外れといったネガティブな経験は、言うまでもなく精神衛生に悪影響を及ぼし、外出を控えがちになるなど、社会的な孤立を招きます。また、最近の研究では、 untreated hearing loss(未対応の難聴)は、認知症のリスクを高める要因の一つとしても指摘されています。
補聴器は、単に音を大きくするだけの道具ではありません。周囲とのコミュニケーションを円滑にし、社会とのつながりを維持し、自分らしくイキイキと暮らすための、大切なパートナーです。
もし、ご自身やご家族が聞こえのことで少しでも悩みを感じているのであれば、どうか「仕方ない」と諦めたり、一人で抱え込んだりしないでください。
米子市のすずらん補聴器では、お一人おひとりの生活環境や聞こえの状態に合わせた、最適な補聴器選びと丁寧な調整を行っています。まずは、お気軽にご相談、ご試聴にいらしてください。
聞こえが変われば、世界が変わります。私たちは、皆さんの「聞こえる喜び」と「つながる幸せ」を、全力でサポートいたします。
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