「地デジにしてからテレビが聞き取りにくい…」と感じる高齢者の方へ原因と今すぐできる対策まとめ
- 拓也 大森
- 11月20日
- 読了時間: 5分

地デジ化によってアナログテレビからデジタルテレビへの買い替えが進んだ際、難聴のある方が「聞き取りにくくなった」と感じることが多くなりました。
原因はいくつか考えられますが、主な要因は以下の通りです。
1. 音声信号の圧縮と処理
• デジタル放送では音声データを圧縮して送信します。圧縮の過程で、人間の耳ではあまり重要でないとされる周波数成分が削除されます。
• 難聴者は特定の周波数帯(特に高音域)を聞き取りにくいことが多いため、圧縮による情報の欠落がさらに聞き取りを難しくします。
2. ステレオ音声やサラウンド化
• 地デジではステレオや5.1chサラウンドが標準化されました。
• 難聴者は音源の定位(どこから音が出ているか)を把握しづらく、複数方向から音が出ると会話が不明瞭に感じやすいです。
3. 音声のダイナミックレンジが広がった
• デジタル音声はアナログよりもダイナミックレンジ(音の強弱の幅)が広いです。
• 会話部分が小さく、効果音やBGMが大きいと、難聴者はセリフを聞き取るのが困難になります。
4. テレビのスピーカー特性
• 薄型テレビはスピーカーが小型化され、低音や中音域が強調されやすく、高音域が弱くなる傾向があります。
• 難聴者は高音域の明瞭さが重要なので、スピーカーの特性が聞き取りに影響します。
5. 音声モードの設定
• 地デジ対応テレビには「ステレオ」「サラウンド」「音声強調」などのモードがありますが、初期設定が難聴者に適していない場合があります。
✅ 対策例
• 「音声明瞭化モード」や「セリフ強調モード」を使う。
• 外付けスピーカーやサウンドバーで高音域を補強。
• 字幕を活用。
✅ テレビ設定でできること
1. 音声明瞭化モードをオン
• 多くのデジタルテレビには「クリアボイス」「音声明瞭化」などの機能があります。
• セリフの周波数帯(中高音域)を強調し、BGMや効果音を抑えます。
2. ステレオ → モノラルに変更
• ステレオやサラウンドは音が左右に分かれるため、難聴者には不明瞭になりやすいです。
• モノラルにすると音が中央に集まり、聞き取りやすくなります。
3. イコライザー設定
• 高音域(2kHz~4kHz)を少し上げると、子音やセリフが明瞭になります。
• 低音域は控えめに。
4. 音量の自動調整機能をオン
• 「音量自動調整」や「ラウドネス補正」を使うと、急な音量変化が減り、会話が安定します。
✅ 外付け機器で改善
1. サウンドバー
• 薄型テレビのスピーカーは高音域が弱いので、サウンドバーで補強。
• 「セリフ強調機能」付きモデルがおすすめ。
2. Bluetoothスピーカーやヘッドホン
• テレビとペアリングして、耳元で音を聞く。
• 難聴者向けの「骨伝導ヘッドホン」も有効。
3. 補聴器対応テレビ
• 一部のテレビは補聴器とBluetoothで直接接続可能。
✅ 字幕の活用
• 地デジでは字幕放送が標準化されています。
• 「字幕を常時オン」に設定することで、聞き取りを補助できます。
メーカー純正アダプターには大きく分けて テレビ用(音声・映像) と 補聴器対応(TV音声ストリーミング) の2種類があります。以下に一覧をまとめます。
✅ 1. テレビメーカー純正アダプター(音声・映像関連)
地デジ化後、テレビや周辺機器の接続に必要な純正アダプターは以下のようなものがあります。
主要メーカーと純正アダプター例
• パナソニック
• HDMI変換アダプター
• TVアンテナ変換ケーブル(GT13タイプなど)
• ソニー
• 光デジタル音声出力アダプター
• スピーカー接続用純正ケーブル
• シャープ
• HDMI延長アダプター
• RCA→HDMI変換ユニット
• 東芝
• TVアンテナ変換プラグ
• 純正オーディオ出力ケーブル
• パイオニア / ケンウッド(カーナビ系)
• TVアンテナ変換コード(GT13、VR1タイプ)
• GPSアンテナ変換コード
※これらはテレビ背面の端子形状や機種によって異なるため、**メーカー公式サイトの「適合表」で確認する必要があります。
✅ 2. 補聴器対応TVアダプター(音声明瞭化・直接ストリーミング)
難聴者向けに、テレビ音声を補聴器に直接送信する純正アクセサリーがあります。
主要補聴器メーカーと純正TVアダプター
• Oticon(オーティコン)
• TVアダプター 3.0
• テレビ音声を補聴器に直接ストリーミング
• 最大15m範囲、アプリで音量調整可能
• Phonak(フォナック)
• テレビコネクター
• Bluetooth対応補聴器に直接接続
• 複数補聴器同時接続可能
• 価格:約23,100円5
• Signia(シグニア)
• StreamLine TV
• ドルビーデジタル対応、スマホ操作可能
• 価格:約33,880円6
• Widex(ワイデックス)
• TV PLAY / TV-DEX
• 高音質ステレオ、簡単設定
• 価格:約44,000円6
• GN ReSound(リサウンド)
• TVユナイトⅡ
• 最大7m範囲、簡単ペアリング
• 価格:約38,500円~46,200円7
• Bernafon(バーナフォン)
• TVアダプター
• 複数補聴器ペアリング可能
• 詳細は公式サイト参照8
---
💡 ポイント
• 補聴器対応アダプターは、テレビ音声を直接補聴器に送るため、音声明瞭化に最も効果的。
• メーカーごとに互換性が異なるので、補聴器の型番確認が必須。
• 価格帯は 約2万円~4万円。
以上、さまざまな対処方法がありますが、どれがベストかを探すことはなかなか大変です。試聴等ご希望があればお気軽にご相談ください。



コメント